GMキットから七尾線415系を作る
つい数年前まで、北陸の七尾線に"幕張の113系"の生き残りが現役で走っていました。
西日本に未だ残る現役の113系・115系列一族の中でも『非ユニットサッシの初期車』『体質改善やドアボタン設置で手を加えられていない側面窓』はここだけで、とても貴重な存在でした。
今回は幕張ネタ(?)として、七尾線415系のうち元幕張車が組み込まれた編成をお手軽に作ってみます。
タイトルの通り、今回の素材はグリーンマックスのエコノミーキット #413 111(115)系初期車 です。
このキットは非ユニットサッシの初期型をモデルとしていて、ありがたいことに付属する改造パーツで先頭車化改造車のクモハ113(→クモハ415)が簡単に作れます。
基本セットには先頭×2、中間×2のランナーがあります。 今回の七尾線は3両なので1両分余りますが、それは後日何らかのネタで消化するとしま
まず前面。初期型キットには「デカ目・スリットタイフォン」と「シールドビーム・シャッタータイフォン」の2種の顔があります。
今回の七尾線415系は「シールドビーム・お椀型タイフォン」なので、シールドビームの前面のタイフォンを加工して使うことにしました。
タイフォンはGMで #8036 タイフォンカバーパーツ という便利なセットがあるので、それのお椀型を取り付けます。これの位置を決めるのがなかなか難しく、画像のやつはちょっと上すぎたかも
中間車(モハ414)にも小加工が必要です。モハ414のうち、パンタ側の車端窓が戸袋窓とほぼ同じサイズに縮められています。これは後ほどの先頭車化改造で余ったパーツをカットし、戸袋窓が連続になるようにしています。
415系の特徴である、交直流車の屋根。今回はジャンク品でモハ414白電を調達し流用しました。(ちなみに動力付きを用意し、動力も流用してます)
初期型のキットでは非冷房車を再現できるようランボード(クーラーの両端にある板)が別パーツとなっているので、塗装前に取り付けています。
通常は屋根のド真ん中に取り付けますが、中には種車が"試作冷房車"というのがいて、そいつは中心から少しズレた位置に取り付けます。今回モデルにした編成では中間車がそれでした。
クーラー本体(AU75)は他製品から流用です。
いつものように組んで、パテで隙間を埋めて調整し、サフを吹いてから七尾線の"茜色"に似ているというクレオスの赤2号で車体を塗装。屋根はねずみ色1号です。
実車通り、運転席上の雨樋の端まで屋根色になるようにしましたが…屋根のRと前面パーツのRの違いがはっきり見えてしまいました。
上はクハ415(原型先頭車)、下はクモハ415(先頭改造車)
クモハ415は中間車のボディに、先頭車ランナーに付属する先頭車化改造パーツを切り継ぐという、実車同様"先頭車化改造"としました。
改造車は後期車と同じく運転席を広げられており、初期車とは乗務員室扉の位置が違います。
前面ガラスの周りにある、Hゴムモールドを黒く色差ししました。
車高が高いのが気になったので、後ほど修正。
実物を見たのは塗装がかなり色褪せていた末期の方なので、この明るい色にとても違和感を感じましたが…検査出たての写真を見るとちゃんとこんな色なんですよね。
車番や車体表記は富士川車両工業のものを使用し、クモハ415がかつてモハ113-219として幕張に配置されていたC10編成としました。(インレタの写真が無い)
窓ガラスのサッシは銀色、スカートは全体にグレーを塗った上連結器やジャンパ栓を黒で塗装しました。
最後にガラスとクーラーを乗っけて、床下機器(製品付属のものをそれっぽく適当に選定)と動力、台車(DT21,TR62)を装着して完成!
先日リカラーで走らせた時の様子。モンザレッドで塗った713系サンシャインとは微妙に色が異なるはずですが、なんか同じに見えます。
手前からクハ415(←クハ111-0 初期型)・クモハ113(先頭改造)・クハ111-1000'(後期型)・クハ113-1000(クハ415と同じ初期型) 運転席周りの配置が3種類あることがわかるかと思います。
幕張からは幼少期に消えた"非ユニットサッシの初期車"を、大学生になってから見られたことに感激したことを覚えています。
もう415系はいませんが、また北陸行きたいなぁ
713系「サンシャイン」を作る
昨年3月、peachの旅くじで宮崎が出たので行ってきました。
宮崎空港駅に着くと、なんかよくわからんけど113系フェイスの派手な赤い電車が!
予習とかしてなかったので初めて見た713系に感激を覚えました。
模型で作りてーな
いろいろ見てると、以前鉄コレで出た900番台(登場時)が安く落ちてたので購入。
現在は宮崎で走っていますが、登場時は長崎にいました。量産する予定だったため900番台を名乗っていて(のちに0番台に改番)、中間に1両足して3両にできる設計だったようです。
ロゴや車番など表記類のインレタも出ているので、塗り替えて自作します🤚
IPAで塗装を落としました。
サンシャイン化の際、ベンチレーターを撤去しているので再現。プラ板で穴を埋めました。
車体はMr.colorのモンザレット、ドア周りの青はスカ色用の青15号、緑は適当なMr.colorです。
インレタの表記類がとても繊細で、特に小さい白文字表記は失敗続きで足りなくなり、もう一枚買い足しました…(お財布に悪い)
もちろん走行化させています(鉄コレ純正パーツを使いました)。パンタはE501系用のPS37です。
せっかくなので中間連結面をTN化し、手持ちのトイレタンクをつけてみました。いいね。
スカートとアンテナ、信号炎管も車体と同じ赤色です。車体を塗るときにあらかじめ付けておいた方が楽でした。
幕は自作ステッカーです。
できた!!
実車は残り2編成となり、先行きが怪しいようで…。
もう一度乗りに行きたいなぁ。
ケヨ72を作る その2
ケヨ72を作る その1 ( https://mykntec.hateblo.jp/entry/2020/12/01/222328 )
から2年以上経ちました…
あのあとインレタを買ったので製作を再開。
まずアンテナを生やします。
製品ではプラスチック感そのままなので、サフを塗装してから取り付け。
次に行き先類を貼り付け。
中間先頭車の前面以外は「マリンドリーム 東京」に。
中間先頭車は旧幕で「安房鴨川」「成東」にしてみました。
実際は基本白幕だったようですが、せっかくなのでネタ幕に。
ペンギンモデルの103系用を使ったのですが、前面用が少し小さかったので武蔵野線201系用に重ね貼りしました。
K4+54セットの前面ガラスには編成番号が印刷されているので、中間封じ込め車と入れ替えたり手元にあった余り車両と交換しています。
そしてインレタ
グリーンマックス 6307
メタリック仕立てなので若干お高めですが、ケヨ72の車番がそのまんま入ってるのでヨシ!
お高いので慎重に貼っていきます。
と、思ったら
おい!!!
劣化していたからか、ちゃんと転写されません。
2両やってほぼダメなので打ち切り。1000円出したのが無駄でした😭
サードパーティ製を探すか、別の店で同じのを買うか…と考えつつ長らく放置していましたが、NewDays限定鉄コレの第4弾が出たのをきっかけに再開。
というのも、そのラインナップに『クモハ200-902(一部新規金型使用)』というのが。
新規金型…??
一発目で出たので比べてみると、量産化改造で増設された前面の手すりが違っていました。
左が登場時 右が量産化改造
末期のケヨ72を再現するには、登場時をモデルにしたセット品より量産化改造後をモデルにしたNewDays限定版の方が向いています。
そこで、車体を交換することとしました。(運がいいのか悪いのか、たくさん引き当ててしまったのでちょうどいい)
クモハ200はそのまま塗り替えるだけですが、クハ201は側面のルーバーを削ります。
オレンジ色のセット版と異なり、カナリヤイエローのNewDays版は青く塗ると下地の違いから色味が変わってしまいましたが、そこまで露骨に違うわけではなかったので、塗装落とし処理はせず今回はそのままにします。
思わぬ形で実車に近くなった青い試作車。インレタがダメで作業が止まってたおかげですかね…
その3に続く
飯田線単行電車シリーズ(大嘘)
かつては旧型国電の宝庫だった飯田線。今でも模型で当時の個性的な車両が製品化されています。それらが後に新性能車、そして今のJR型に置き換わっても変わったものの多い飯田線の車両のうち、主に豊橋〜豊川で活躍していた「単行電車」をNゲージで再現してみました(???)
A-0800 ラッシュ時のお助け物!クモハ104飯田線
飯田線では3ドアの119系が運用されていましたが、ドア数が少なく降車に時間がかかりラッシュ時の遅延が日常化していました。そこで国鉄末期、余剰となった103系のクモハ103型を両運転台・飯田線カラーの単行電車としたのが105系クモハ104型です。
非貫通型ゆえに他車と連結しての運用が難しい、床下機器をまるまる105系のものにしたので改造費が思ったより高くついた、3ドアの119系と乗車位置が揃わないなどの問題に気づきわずか1両で改造は打ち切り。豊橋〜豊川で数年活躍した後は荷物車代用や訓練車として使用され、119系の引退を前にひっそりと廃車となりました。
A-0801 懐かしのスカ色!クモハ119-5100スカ色
119系の引退が見えてきた中、かつて飯田線を走っていた旧型国電の塗装をモチーフとしたスカ色風に塗装された119系が登場。短い間でしたが飯田線に懐かしの塗装が戻ってきたことは大きな話題となりました。
A-0802 受け継ぐ単行電車!クモハ213-5100
飯田線では119系において単行運転が行われていましたが、213系でもこれを実施するべく一部の2両編成を単行車に改造することとなりました。
クモハ213にクハ212の運転台部分を移植する方法のため、西日本のサハ213改造車と異なり両側で同じ前面であるのが特徴です。主に豊橋〜豊川で使用されるほか、他の2両編成と併結した運用もあります。
もちろん今回紹介した話はフィクションです!!
安く落ちてたジャンク品や改造で余った車両から作ってみました。
いずれも動力は入れてないので他車と連結して走らせるかディスプレイの肥やしになっています。(119系スカ色はお金ない時に売り飛ばしちゃった…)
動力入れられたら走らせたいなぁ。
"ちゃんとした"?113系1000'番台 ②
⚠️この記事はKATOで製品化が発表された前に書いたものです。(23.5.23追記)
前回(https://mykntec.hateblo.jp/entry/2022/04/19/175509) の続き
ジャンク品を漁ってると、100円くらいで組み立て済の113系中間車がいくつか転がってたので思わずお買い上げ。
中間車いっぱいだし総武快速でも作るか〜??ということで、総武快速を作る方向に。
ジャンク品からは中間車を3両生成できそうなので、基本編成(11両)の普通車9両を組むには他に基本と増結それぞれ一箱でおk。
グリーン車は…
- 普通車6両は売っぱらったKATOの1500番台セットに含まれていたサロ110-1200
- ↑と同時に仕入れたサロ124
- 古いGMキットのサロ111
- 銀河モデルのサロ110-1300
- コンバージョンキットのサロ113-1000
- その他フリーランス多数
と、いろいろあるので無敵です。
ここら辺は横(車種)のバリエーションだけでなく縦(年代)バリエーションもそこそこあるので、編成にこだわるなら実車をよく研究する必要があります。そこらへんについては後日まとめますかね。
前回は先延ばしにした車番ですが、1994年の編成表というありがたい資料が出てきました。
こちらにまとめてあります。→ https://library600m.hatenablog.jp/entry/2022/04/19/215717
これを参考に、幕張区の総武快速用で209系投入まで残った編成にするべく、マリ113+マリ203編成としました。
号車表記や幕が違うとはいえ、4+4にすれば末期のマリ209+211編成にできます。
いきなり完成形
11両の基本編成ではサハ111が登場します。これは普通の中間車に、先頭車ランナーに付属するトイレ部パーツを切り継ぎます。
なお実車ではサハ111だけ2000番台というのも少なくないので、ここは完成品を組み込んでも良いかもしれません。
成田線の踏切事故を受けて後付けされた、前面強化関連は省略しています。(面倒なので)
一番左は0番台です(別編成用)
GMキットの中でもクセの強い113系キットを綺麗に組むのはなかなか難易度が高く、には完成品が待たれます…。
今年(2022年)は総武快速線の開業50年ということもあり、どこかで出してくれるかな〜と期待してましたが…ダメそうですね。
とここまで下書きに書いて放置していましたが…なんと今日KATOから製品化が発表されました!!2022年も残すところあと1週間ちょいのここで出るとは。今後が楽しみです。
幻の小窓205系キット
グリーンマックスの205系といえば、数年前に「ちゃんとした205系!」と謳った小窓5000番代の完成品とエコノミーキットの大窓車が広く知られていますが、かつては"小窓のキット"というものがありました。
調べてもあまりヒットせず、たまにオークションに出てくるくらいでしたが…先日某中古品店にて見つけて即購入
「国電」205系と銘打ってあることから国鉄時代、つまり30年以上前の製品でしょうか。 現在の大窓キットには『原型顔』の他に西日本の1000番代とメルヘン顔が付属しますが、この小窓キットには207系900番代の顔が付属しています。
説明書には山手線、京阪神緩行線、207系900番代の作り方がそれぞれ記載されていて、アンテナの差異やヒューズ(フューズ?)の取り付けなどが指示されています。
現行品と同様増結中間車3両セットも存在したとか。
古いパッケージの大窓キットの箱があったので並べてみました。
やっぱりこの頃のパッケージは良いですね。
さてランナー
小窓(左)と大窓(右)を比較すると、小窓の金型を改良て大窓にしたのがよくわかります。
小窓の原型顔には方向幕周りのモールドが無く、大窓にした時追加されたのもわかります。
中間車です。妻板周りは小窓とそのまんま同じです。なんでわざわざメルヘン顔をつけたんだろう…
次に屋根・床下・小物のランナー
左が小窓、右が大窓です。
小窓と大窓ではほぼ同じですが、小窓では2つあった信号炎管が大窓では1つとなり、代わりにしっかりした列車無線アンテナになっています。
ちなみに211系のキットも205系のが基になっていますが、屋根は211系の方が一回り厚く、ビードが非冷房車のように途切れていないのが特徴です。
その他AU75クーラー・ウェイト・塩ビ板などの付属品は大窓と同じですが、大窓には付属する前面用ハメ込みガラスが無く、塩ビ板を適宜切ってねという仕様でした。
今回入手できたのは4両セットです。さて何を作ろうかなー
"ちゃんとした"?113系1000'番台
⚠️この記事はKATOで製品化が発表された前に書いたものです。(23.5.23追記)
久々の更新はGMキットの製作録を
幕張の113系といえばやっぱり1000'番台。
長い間総武快速線から房総ローカル各線を走り抜いてきた「千葉の顔」ともいえる車両ですが、主力だった1000'番台は意外とNゲージ製品に恵まれていません。
ずいぶん前にマイクロエースから出たっきりで、大手2強はどちらも少数派だった1500番台や、幕張には末期にしか存在しなかった2000番台しか出していません。
※T社がかなり初期の頃に出した古いやつはノーカウントで
マイクロ製品は中古でもあまり見ないし高い。
ちゃんとした113系1000"番台がほしい!
ということでGMキットを組んでみることにしました。
グリーンマックス エコノミーキット 414 113(115)系量産冷房車 4両編成セット
中身はこんな感じ
1両分のパーツが一体になったランナー
ほとんどの板キットは1両分は2つのランナーに分かれていて、珍しい形ですね。
そしてこれまたエコノミーキットでは珍しい成型品の窓ガラス
他では塩ビ板を適当に切るのが当たり前の中、この形なのはありがたい
早速組みます。
このキットは某模型店曰く「GMキット最難関」といわれるくらい難易度が高いとされています。特に前面と側面の合いがかなり悪く、普通に組むにもパテ埋めなど修正が必要になります。
さて組立
1000'番台はATC機器の関係で先頭車助士席後ろの窓割りが異なるので、付属の側面パーツを切り継ぎする必要があります。また前面のタイフォンが0番台用(上)と1000'番台用(下)の両方が刻印されているため、今回は0番台用の上を削ります。これを跡を残さずやるのがまた難しい。
助士席後ろに窓がないのがATC対応1000'番台の特徴。
その後箱型に組み上げ、パテ&ヤスリがけで隙間の修正を繰り返したのち塗装します。
塗装もなかなか難しく、特に前面のマスキングが細かく複雑で疲れます。
今回はアサヒペンの月光クリームと青15号を使っています。アキバの某芋で仕入れてきました。
塗装は得意ではないので、マスキングの隙間から漏れてたり厚ぼったくなったりなってしまいました。
こういうのはIPAに漬けてやり直しです。てかタイフォンの塗り分け間違えてるし(タイフォン全体がクリーム色なのが正解です)
しんどかった。
パンタはKATOのプラケース入りのもの、動力はストックにあったTOMIX製のもの、そして床板は以前Amazonの安売りで押さえておいた、体質改善車用のやつを無理やり装着。床下機器はいろいろ組み合わせてそれっぽくしています。
(画像準備中)
いろいろ乗り越えてやっと落成
車番類は、総武快速用の付属編成かつ房総ローカルで最後まで残った編成としたかったのですが、意外と総武快速時代の資料がネットに無い!
ここは別ページで深掘りします。
"ちゃんとした"と言える出来ではないですが、ひとまず1000'番台が手元に…
K社さんかT社さん、ぜひ製品化してください!!